Mar 20, 2009
最近読んだ本あれこれ

アリソン以来ずっと読み続けているジャガイモ大陸が舞台の物語の最新巻でメグセロシリーズの三作目です。淡々とした文体で情け容赦の無いシビアさ・ブラックさを突き付けるのが、キノの旅以来の時雨沢さんの持ち味なのですが、メグセロシリーズは、アリソンシリーズやリリアとトレイズシリーズに比べてそういった要素は抑えた学園生活冒険物になっています。こうした設定での新シリーズになったのは、物語の主題に核として存在するシビアでブラックな要素を無理矢理に漂白脱色したアニメ化のアリソンとリリアが悲惨な失敗作に終わった反省(?)から、アニメ化を見据えての事なのでしょうか?(アニメは脚本の出来が予想外に酷い物だったのが失敗の主な原因だとは思いますけども)それまでのシリーズとは打って変わってメグセロでは主題が恋愛で、ある意味では時雨沢さん独特の風味は薄味ですけども、本作ではソフトではあってもしっかりと「愛し想う事の怖さ」を後味悪く突き付けて来ます。とは言え全体的には昔小学校の図書室で読んだ海外のジュブナイル小説みたいな雰囲気で新聞部の面々がお気に入りになる事請け合いです。

最近コンピュータ関係の専門書かラノベばっかり読んでいるぽちが、久々にちゃんとした SF小説を読んだ気になりました。SF的なガジェットというかギミックばっかり使ってるけど中身は普通の冒険小説といった類の物が多い中で、これは『本物』です。こうした存在との絶滅戦争というアイディアは、セイバーヘーゲンのバーサーカー以来小説はもとよりゲームやらアニメやらで散々使われて来ましたが(最近ではガンパレードマーチの幻獣や、ストライクウィッチーズのネウロイ等)、そうしたもののスケールが小さく感じるくらいにここまでスケールが大きいのは本家のバーサーカー以外には少ないかもしれません。もう二度と得る事が出来ないものの為に十万年戦い続ける戦士の何とも言えない悲しみが漂う本作ですけども、クライマックスシーンの彌与の啖呵は惚れるなキケン!この本の登場人物は男性より女性がカッコイイです。SF的な事に踏み込んで書くと長くなって大きくネタバレしてしまいそうなのでこのくらいで…。

四巻目冒頭で女神奪還編にひと区切り。三話目のメッシュの出自が最大の衝(笑?)撃でした。通して読み返して見てふと気が付いたのだけど、もしかして SW2.0 って Lv が上がり易いんじゃ?
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